一日一冊:宗教
瞑想あるところ知恵あり、瞑想無きところ知恵無し。何が己を高め、何が己を低めるかを知れ。

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教養としてのキリスト教
2008.3.2 / 宗教、キリスト教、新書

うーん、薄くて迫力の無い本。キリスト教とは何か、宗教とは何かという点について深く掘り下げた部分がないし、知識としてのキリスト教の紹介も通俗的・表面的。
じゃあより適したキリスト教の入門書を他に紹介してみせよ、と言われると困るのだけれど、少なくともこの本は最適とは言い難い。

ブッダのことば―スッタニパータ
2008.2.15 / 宗教、仏教、ゴーダマさん

最も古い仏教経典とされる。複雑な教理体系が成立する以前のブッダの言葉。
説かれるフレーズはシンプル、しかし「空」や妄執を離れ執着を捨てるというような核心はちゃんと述べられている。生の「おいしい」仏教。
註も詳細で読んでいて楽しい本。つーかこの中村元さんってすごすぎるよな。

キリスト教史〈2〉教父時代
2008.2.11 / 宗教、キリスト教、歴史、iが一つ入るか入らないかの違い

ビザンツ帝国による国教化を経て、キリスト教とローマ文化圏との「絡み合い」を描き出す。アレイオス派・カルケドン派などの異端分派と正統争い、ローマ文化圏の外延への進出、修道院制度の発達。
歴史書としては面白いのだが、いかんせん読み手に神学のそれなりの知識が無いと読んでいて混乱する。いきなり単性説とか単意説とか出されてもねぇ…副読本として簡単な神学辞典が欲しいところ。
視点がやはりどうしても現代カトリックのものであるという点を問題にしなければ楽しい本。

大乗仏教概論
2008.2.6 / 宗教、大乗仏教、涅槃は遠いよね

鈴木大拙が大乗仏教を欧米へ紹介するために英文で記した書を日本語に訳しなおした「逆輸入本」。
まず最後の「訳者後記」から読んで、それから本文を読むべき。というのは、この本の大乗仏教の説明は大乗仏教そのものでなく鈴木大拙個人の思想のほうが色濃いということで、その点批評の目をあらかじめ持っておくべきだから。
とはいえ、内容は文句無しに面白い。涅槃や真如の総合的分析や、現代の日本人が仏教にあまり見出さない菩薩の積極的「愛」など宗教・哲学思想として得るものは大きい。
難点は値段。こんな面白い本がこんな高いなんて、岩波は腹を切って死ぬべきである。定価がもう2000円安かったらなぁ…ってオイ、中古市場でありえん値段がついてるな。欲しい人はamazonはあきらめて大型書店の在庫を探すほうがいいですね。

ヒンドゥー教―インドの聖と俗
2008.1.31 / 宗教、ヒンズー教、インド、新書

ヒンズー教とインドの時空は巨大だ。本書はその巨大さをうまく切り刻んで把握しきれていない。
個々のエピソードは豊富で、特に著者の実体験が素直に記されているのが良い点。しかし浅く広くに止まるところが多く、本質へ深く切り込んだ記述が少ない。
ヒンズー教を知るためのとっかかりとして、まずインドの宗教生活の雰囲気から掴むには適しているか。読んで損はないが、オススメマークは付けられない。

書物としての新約聖書
2008.1.27 / 宗教、キリスト教、新約聖書

新約聖書とは何か?なぜ新訳聖書が作られたのか?どうやってまとめられた?各福音書成立と採用の経緯は?そして2000年前の編集作業にどうやって現代から近づくのか?
現代における数々の新約聖書はいかなる形であるのか、またどうあるべきか?などなど、新約聖書に関する分析をあらゆる方面から緻密に行った大著。
読み応えがあります。お値段も安くはないですが、価値ある本です。キリスト教に関心がある方は是非トライしてください。

霊操
2008.1.26 / 宗教、キリスト教、観想、修行、禅

初めてamazonに書影が無い本を紹介します。ルネサンス期ヨーロッパでキリスト教徒の修行方法、特に祈りに沈潜し神へ近づこうとする「霊操」についての一種のマニュアルです。
信仰とは何かというところまではわからないけれど、信仰を深める、それもかなり究極的な意味で行うということについて教えてくれます。
Fはキリスト教徒ではありませんから、神への愛を霊動によって感じ取るとか言われてもそこらへんはピンと来ません。しかし趣味で禅をしているので、ところどころ参考になる部分がありました。
マニアックな本であることは確かです。キリスト教に興味がある人、そして禅に興味がある人には良いかも。『十牛図』はなんのこっちゃわからんしね。

キリスト教史(1)
2008.1.26 / 宗教、キリスト教、平凡社ライブラリー

1巻は初期教会、コンスタンティヌス大帝による国教化の直前まで。
受難から使徒達による布教、ヘレニズム・キリスト教とユダヤ・キリスト教との衝突、ローマでの扱い、グノーシス主義、その他数々の派生を扱う。
ヘレニズムとユダヤ地域という二つのキリスト教の違いや、ユダヤ人にとってキリスト教とはいかなるものであったのかという問題が面白い。グノーシス主義についてはあまり深く掘り下げられない。
不満は、キリスト教以前のローマ神話宗教を「異教」としてひとくくりにしていることで、キリスト教がローマ帝国に広まる上で「異教」とどうぶつかり相互に影響していったのかという点についての考察がほとんど無い。まぁカトリックの中の人が書いてることだしね。
1冊でもけっこうなボリュームだが、これ11巻まであります。覚悟はいいか?俺はできてる(本棚の占有体積という点ではファーブル昆虫記よりはマシか)。

金枝篇〈上〉
2008.1.26 / 宗教、社会人類学、ちくま学芸文庫

祭司が剣を持って人を探している。彼は誰を探しているのか?彼は殺されるのだ。なぜ殺される?誰に殺される?
この小さな場面から始まって、この謎を解くために世界中の宗教的風習を網羅し、その根底に潜む人類共通の考え方を見つけ出す。
量があるものの、はまればとても面白い本です。眺めるだけだと疲れるけど。個人的に、この本をきっかけにさまざまな本を読むようになった思い出深い本です。

ブッダの 真理のことば 感興のことば
2008.1.25 / ジャンル:宗教、仏教、岩波文庫の青

ブッダの言葉とされる短い詩句集。シンプルで重い。当たり前のことを言っているようで鋭い。
特に「善悪のはからいを捨てて」というあたりが難しく面白い。ニルヴァーナは単に「良い人」が行ける場所ではないようだ。
信仰がある人にとって、ニルヴァーナに到るなら生も死もなく、それらを越えたやすらぎだけがある。生も死もないだって?そう言うと不思議だが、私達が普段当たり前としている生と死も冷たく問い直されねばならない。